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Gemini 3.8 Liveは、会話とツール実行を並行する音声モデルです。9月15日に2モデルが発表され、企業導入では権限と完了判定の設計が必要です。
- 提供: Gemini APIとGoogle AI Studioで利用でき、通常版と推論を強化した版を選べます。
- 費用: 音声入力は1分0.005ドル、音声出力は1分0.018ドルが公式の換算額です。
- 運用: 会話の終了と業務処理の完了を分け、更新や外部送信の承認を残します。
対象: 音声AIの業務導入を検討するDX担当者、情報システム部門
今日やること: 公開FAQを使う読み取り専用の試行を1つ選ぶ。
Gemini 3.8 Liveは、音声で応答しながら裏側で業務ツールを呼び出せるモデルです。Googleが2026年9月15日に、通常版と「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」を発表しました。
ただし、会話が自然になっても、予約変更や顧客データ更新を任せてよいとは限りません。企業での導入判断に必要なモデルの違い、費用、承認の設計を、9月21日時点の公式情報で整理します。
Gemini 3.8 Liveは会話と処理を並行する
今回の変更は、処理の待ち時間にも会話を続けられる点です。Googleの開発者向け発表では、音声応答と並行してAPIやツールを実行する「非同期の関数呼び出し」を挙げています。APIは、別のシステムへ情報の取得や操作を依頼する窓口です。
たとえば、在庫を調べている間に、利用者から希望する受取場所を聞く構成が考えられます。音声認識、文章生成、音声合成を順につなぐ方式とは異なり、音声同士のやり取りをモデルが扱います。Googleは視覚情報を会話に反映する機能も案内しています。

利用窓口はGemini APIとGoogle AI Studioです。前者は自社アプリへ組み込むための接続口、後者はモデルを試す開発者向け画面です。既存の電話受付や顧客管理システムへ組み込むには、接続部分の開発と運用設計が別途必要になります。
通常版とExtended Thinkingをどう選ぶか
通常版は低遅延の会話を、Extended Thinkingは複雑な複数手順の処理を検討する際の候補です。公式発表は、前者で規模とコスト効率、後者で推論能力を重視しています。
| モデル | 公式の位置付け | 試行で確認すること |
|---|---|---|
| Gemini 3.8 Live | 低遅延の音声対話、規模とコスト効率 | 応答の間、聞き返し、情報照会の正確さ |
| Gemini 3.8 Live Extended Thinking | 複雑なタスクと多段階の推論 | 処理の途中状態、ツールの結果、完了の判定 |
ここで、発話の区切りと処理の完了を混同しないでください。Extended Thinkingの仕様では、turnCompleteを受信しても推論やツール処理が続く場合があります。システム側はinteraction_statusのIN_PROGRESSとIDLEを見て状態を区別します。
また、同モデルの関数呼び出しは非同期のNON_BLOCKINGのみです。既存の音声アプリのモデル名を差し替えるだけで、同じ制御が動くとは限りません。業務の完了通知は、音声の内容だけでなく接続先システムの結果とも照合する設計にします。
企業導入では読み取りと更新の権限を分ける
最初から「話しかければ何でもできる受付」を目指すより、参照だけの業務と、データを書き換える業務を分ける方が検証範囲を限定できます。以下は導入候補の例であり、実測済みの導入成果ではありません。
| 業務の例 | 最初に許可する範囲 | 人が確認する操作 |
|---|---|---|
| 社内ヘルプデスク | 承認済みFAQの参照 | アカウント権限の変更 |
| 商品問い合わせ | 公開仕様や在庫の照会 | 注文確定、返金 |
| 予約受付 | 空き枠の照会、候補の提示 | 予約の確定、変更、取消 |

権限はプロンプトだけに頼らず、接続先のアカウントや自社サーバーでも制限します。音声の聞き違いがあっても、許可していない操作を実行できない構成にするためです。承認者と例外時の引継ぎ先を決める際は、AIガバナンスの公開事例も参考になります。
音声とカメラ映像には個人情報が含まれ得ます。送信対象、録音の有無、保存期間、利用者への説明を先に決めてください。資料や画面を見せる場合は、それをサービスへ送信する権限も確認します。
認証情報の保護も必要です。ブラウザから直接Live APIへ接続する場合、Googleは短期トークンを推奨しています。長期APIキーを画面側へ埋め込まず、自社サーバーで利用者を認証してから期限付きの接続情報を渡す方式です。
AI導入に関するお困りごとは、株式会社NexaのAI顧問がサポートします。「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談いただけます。
費用は音声の入出力と周辺システムを分ける
Gemini Developer APIの料金表は、両モデルの音声入力を1分0.005ドル、音声出力を1分0.018ドルと案内しています。これは音声の入力と出力それぞれの換算額であり、通話全体の固定単価ではありません。
| 費用項目 | 見積もりで確認すること |
|---|---|
| モデル利用 | 入力音声、出力音声、テキストなどの使用量 |
| 連携サービス | 電話回線、配信基盤、検索や外部ツールの料金 |
| 運用 | 録音保存、監視、有人対応、誤回答の確認工数 |
既存の顧客管理システムを置き換える必要はありません。音声の入口をLive APIで作り、顧客情報の管理や承認記録は既存システムへ残す分担が考えられます。複数の処理をつなぐ設計は、AIオーケストレーションの構成で説明しています。
なお、GeminiアプリやGoogle Workspaceの利用契約と、開発者向けAPIの請求条件は分けて確認してください。企業の総費用を、モデルの分単価だけで判断しないことが大切です。
最初の試行は公開FAQと読み取り専用で始める
まずは、顧客情報も書き込み権限も使わない試行から始めます。以下はNexaが提案する検証手順です。効果を保証するものではなく、自社の合格条件を確かめるための進め方です。

- 公開FAQで会話を試す: Google AI Studioで通常版を選び、日本語の固有名詞、聞き返し、割り込みへの応答を確認します。利用できるモデルと地域、アカウントの条件は実画面でも確かめます。
- 読み取り専用で連携する: テスト用データの照会に絞り、接続が遅い場合や失敗した場合を試します。結果が未確定なのに「完了しました」と案内しないか確認します。
- 承認付きの運用を評価する: 更新は人の承認後だけにし、成功率、誤案内、有人引継ぎ、利用料金を記録します。基準を満たしてから対象業務を広げます。
既存のGemini 3.1 Flash Liveから移行する場合は、通常版の移行ガイドも確認します。通常版ではthinking_levelが非対応で、従来の設定を残すと不整合が起きます。新モデルの個別仕様を基に、設定とエラー処理を見直してください。
よくある質問
Q. Google Workspaceを契約していればAPIも使い放題ですか?
今回の発表は、Workspace契約に開発者向けAPIの無制限利用が含まれるという案内ではありません。API側の課金設定、利用上限、契約条件を別途確認してください。
Q. AIが話し終えたら業務も完了していますか?
そうとは限りません。特にExtended Thinkingでは、発話の区切りの後も推論やツール処理が続きます。サーバーの状態と接続先の処理結果を確認してから完了を通知します。
Q. 顧客の音声をそのまま使って試してよいですか?
最初は公開情報や検証用の発話を使う方法が適切です。顧客の音声を使う前に、利用目的、説明や同意の要否、保存、送信先、契約上のデータ利用条件を確認してください。
まとめ
Gemini 3.8 Liveは、会話を続けながら情報照会やツール実行を進めるための選択肢です。企業で試す際は、通常版とExtended Thinkingの違いに加え、読み取り権限、更新の承認、業務処理の完了判定を決める必要があります。
最初の対象は、公開FAQを使う1業務で十分です。応答の自然さだけでなく、誤案内や有人引継ぎ、周辺費用も確認してから、本番の顧客対応へ広げるか判断してください。
AI導入に関するお困りごとをサポートします
株式会社NexaのAI顧問は、ツール選定から業務への適用、社内定着までを月額制でサポートします。特定のツールに限らず、「AIをどう使えばいいか分からない」という段階からご相談いただけます。
この記事で参照した外部情報
- Googleの開発者向け発表blog.google
- 公式発表blog.google
- Extended Thinkingの仕様ai.google.dev
- 短期トークンai.google.dev
- Gemini Developer APIの料金表ai.google.dev
- 通常版の移行ガイドai.google.dev
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