OpenClawのバージョンアップはopenclaw update→doctor --fix→gateway再起動の3ステップで完了し、Slack連携・cronジョブへの影響はほぼゼロです。
- 要点1:
openclaw updateコマンド1つで自動アップデート。バージョン指定はnpm install -gを使用 - 要点2:
openclaw doctor --fixは設定の問題の約70%を自動修復(ClawTank 2026年3月調査) - 要点3: gateway再起動時はSIGTERMとドレイン処理でSlackセッションを保護する仕組みあり
対象: OpenClawを運用中で定期的なバージョンアップを安全に行いたいエンジニア・DX担当者
今日やること: openclaw --versionを実行して現在のバージョンを確認し、最新リリースと比較する
この記事の目次
OpenClawのバージョンアップは、openclaw updateコマンドによる更新、openclaw doctor --fixによる設定検証、そしてgatewayの再起動という3つのステップで安全に完了できます。
「アップデートしたらSlackエージェントが止まらないか」「cronジョブの設定が消えるのでは」——こうした不安を持つ方は少なくありません。実際にv2026.2.24からv2026.3.8まで複数回のバージョンアップを経験した事例を元に、Slack連携や既存設定を保持したままアップデートする具体的な手順を解説します。
OpenClawのアップデートが必要な理由
OpenClaw(オープンクロー)とは、Claude CodeをはじめとするAIエージェントをSlackやDiscord等のチャットツールに常駐させ、24時間自動で業務タスクを処理できるようにするAIゲートウェイシステムです。メッセージを受け取ったエージェントがコードを書いたりファイルを操作したりと、多様な業務を自律的に実行します。
OpenClawは各種AIのAPI仕様変更やSlack/Discord APIのアップデートに頻繁に対応するため、定期的なバージョンアップが必要です。バージョンを最新に保つことで、APIの非互換による予期しないエラーを防ぎ、新機能を活用できるようになります。
主要なリリースの変更内容(v2026.3.x系)
実際に行われたバージョンアップで確認した変更点を以下に整理します。
| バージョン | 主な変更点 |
|---|---|
| v2026.2.26 | 安全性スキャナー追加、Opus 4.6・GPT-5.3-Codexのサポート |
| v2026.3.1 | Claude 4.6の思考レベルデフォルトが「adaptive」に変更、ヘルスチェックエンドポイント(/health, /ready)追加、Slackマルチアカウント対応の不具合修正 |
| v2026.3.8 | openclaw backup create/verifyコマンド追加、Talk modeの沈黙タイムアウト設定追加、Brave Web SearchのLLM Contextモード追加 |
特にv2026.3.1以降は、Docker/Kubernetes環境向けのヘルスチェックエンドポイントが追加されており、本番運用の安定性が向上しています。
アップデートを怠るとどうなるか
バージョンが古い状態を長期間放置すると、以下のような問題が生じやすくなります。
- Slack APIの変更に対応できず、エージェントへのメンションが届かなくなる
- 新しいAIモデル(Opus 4.6等)が利用できない
- セキュリティパッチが適用されず、脆弱性リスクが残る
- 公式サポートが受けにくくなる(Issue報告時に最新版への更新を求められる)
アップデート前に確認すべき3つのこと
バージョンアップを始める前に、現在の状態を把握しておきましょう。確認を怠ると、アップデート後のトラブル原因の特定が難しくなります。
現在のバージョンを確認する
openclaw --version
このコマンドで現在インストールされているバージョンが表示されます。GitHubのReleasesページと比較して、アップデートが必要かどうかを判断してください。
ゲートウェイの稼働状態を確認する
openclaw status
ゲートウェイが動作中かどうか、Slack接続が正常かどうかを確認します。Slack: okと表示されていれば正常に稼働しています。
openclaw.jsonのバックアップを取る
cp ~/.openclaw/openclaw.json ~/.openclaw/openclaw.json.bak
設定ファイルを事前にバックアップしておくことで、アップデート後に設定が変化した場合も元の状態に戻せます。ただし、実際のアップデートではこの設定ファイルが上書きされることは基本的にないため、念のための対策です。
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v2026.3.2からv2026.3.8へのアップデートで実際に確認した手順です。この手順に沿って進めることで、Slack連携やcronジョブを維持したまま安全にアップデートできます。
ステップ1: openclaw updateを実行する
最もシンプルな方法は、OpenClaw組み込みのupdateコマンドです。
openclaw update
このコマンドはnpmから最新バージョンを取得し、インストールを実行します。ゲートウェイが稼働中の場合は自動で再起動が行われる場合があります。
特定バージョンを指定する場合は、npmコマンドを使います。
# バージョンを指定してインストールnpm install -g openclaw@2026.3.8# または最新版を常にインストールnpm install -g openclaw@latest
nvmを使っている場合は、対象のNodeバージョン(推奨: v22系)でコマンドを実行してください。
ステップ2: バージョンを確認する
openclaw --version
表示されたバージョンが目的のバージョンになっていることを確認します。2026.3.8のように表示されれば成功です。
ステップ3: doctor –fixで設定の整合性を確認する
openclaw doctor --fix
openclaw doctor --fixは、インストール後の設定ファイルや環境の整合性を検査し、問題があれば自動修復するコマンドです。ClawTankの2026年3月調査によると、このコマンドで設定の問題の約70%が自動修復されます。
doctorコマンドは以下の項目を検査します。
| 検査項目 | 内容 |
|---|---|
| ディレクトリ構造 | 必要なフォルダ・ファイルの存在確認 |
| ファイルパーミッション | 実行権限・読み書き権限の確認 |
| openclaw.json | JSON構文エラー・必須キーの存在確認 |
| ポートバインディング | 宣言されたポートとの一致確認 |
| サービス登録 | 必要なサービスが正しく登録されているかの確認 |
--fixオプションなしのopenclaw doctorは検査結果のレポートのみを表示し、修正は行いません。確認後に問題が見つかった場合は--fixオプションを付けて再実行してください。
ステップ4: gatewayを再起動する
アップデートコマンドでゲートウェイが自動再起動しない場合は、手動で再起動します。
# ゲートウェイの停止openclaw gateway stop# ゲートウェイの起動openclaw gateway start
または、まとめて再起動する場合は以下を使います。
openclaw gateway restart
再起動後、openclaw statusでSlack接続がokになっていることを確認してください。
Slack連携・cronジョブへの影響と対処法
OpenClawを利用中の多くの方が気になるのが、「バージョンアップ中にSlackエージェントが止まらないか」「cronジョブの設定が消えないか」という点です。実際の経験を元に解説します。
gateway再起動時にSlackセッションはどうなるか
OpenClawのゲートウェイは再起動時にSIGTERMシグナルを送り、現在進行中のWebSocket接続がドレイン(処理完了)するのを待ってからプロセスを終了します。そのため、エージェントが処理中のタスクが急に中断されることはほとんどありません。
再起動後にSlackでエージェントにメンション(@エージェント名)すると、新しいClaude CLIプロセスとして起動します。過去のSlackスレッドにある会話履歴は、スレッドのコンテキストとして自動的に引き継がれます。
実際の動作: v2026.3.2→v2026.3.8のアップデートでは、ゲートウェイが自動再起動し、openclaw statusでSlack: okを確認できました。Slackでのエージェントへの呼びかけも、再起動直後から問題なく動作しています。
cronジョブは設定を保持されるか
cronジョブの設定は保持されます。 OpenClawのcronジョブ定義は~/.openclaw/cron/jobs.jsonに保存されており、バージョンアップでは変更されません。
実際に3つのcronジョブ(SEO記事の自動公開・インデックス申請・AIOチェック)を設定した状態でv2026.3.1へアップデートしましたが、ゲートウェイ再起動後にすべてのcronジョブが引き続き動作していることを確認しています。
OpenClawのcronジョブについては、OpenClawのcronジョブで定期タスクを自動実行するでも詳しく解説しています。
アップデート後にSlack返信が来ない場合の確認手順
アップデート後にSlackでエージェントが応答しなくなった場合は、以下の順番で確認します。
- ゲートウェイの状態を確認:
openclaw statusでSlack: okが表示されるか - ゲートウェイを再起動:
openclaw gateway restartを実行 - doctor –fixを実行: 設定の不整合を修復
- ログを確認:
~/.openclaw/logs/gateway.logでエラーの詳細を確認
詳しいトラブルシューティングの手順は、OpenClawのトラブルシューティング — Slackで返信が来ないときの対処法を参照してください。
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法人向けClaude Code個別指導の無料相談はこちらopenclaw doctor –fixで解決できる問題
openclaw doctor --fixは、バージョンアップ後のルーチン確認として実行するだけでなく、ゲートウェイが不安定なときや設定変更後にも有効です。
doctorコマンドが検査・修復する項目
# まず検査のみ実行(修正なし)openclaw doctor# 問題が見つかったら自動修復openclaw doctor --fix
doctorコマンドの主な検査・修復内容は以下の通りです。
| 問題の種類 | doctorの対応 |
|---|---|
| 必要なディレクトリが存在しない | 自動作成 |
| 設定ファイルの構文エラー | エラー箇所を報告(自動修正はしない) |
| ファイルパーミッションの問題 | 正しい権限に修正 |
| ポート競合 | 競合するプロセスの報告 |
| 不足している必須キー | デフォルト値で補完 |
–fixオプションと通常doctorの違い
openclaw doctor(fixなし)は問題のレポートのみを出力し、実際の修正は行いません。アップデート前に確認だけしたい場合に使います。--fixオプションを付けると、修正可能な問題を自動で修正します。
ただし、JSON構文エラーのように内容を判断してから修正する必要があるものは自動修正の対象外です。この場合はエラー箇所が報告されるので、手動でopenclaw.jsonを編集してください。
doctorで解決できない場合の次のステップ
openclaw doctor --fixを実行しても問題が解消しない場合は、以下を試します。
- ゲートウェイのログを確認する:
cat ~/.openclaw/logs/gateway.log | tail -100 - npmキャッシュをクリアして再インストール:
npm cache clean --force && npm install -g openclaw@latest - プロセスを強制終了して再起動:
pkill -f openclaw && openclaw gateway start
アップデート後に有効化できる新機能
バージョンアップはセキュリティ対応や不具合修正だけでなく、新機能を使えるようにする機会でもあります。実際に確認した主な新機能を紹介します。
v2026.3.1以降の主な新機能
ヘルスチェックエンドポイント(v2026.3.1〜)
/healthと/readyエンドポイントが追加されました。Dockerコンテナやkubernetesのヘルスチェック設定に使用できます。
# ゲートウェイの状態確認(HTTPで確認する場合)curl http://localhost:18789/health
backupコマンド(v2026.3.8〜)
# バックアップの作成openclaw backup create# バックアップの検証openclaw backup verify
設定・セッション・エージェント定義を一括でバックアップできます。アップデート前の事前バックアップとして活用できます。
ACP Agentsの有効化方法
v2026.3.x以降で利用可能なACP Agents機能を有効化すると、複数のAIエージェントを独立したセッションとして並行動作させられます。
ACP Agents(Agentic Coordination Protocol Agents)とは、Slackの複数チャンネルやスレッドでそれぞれ独立したAIエージェントセッションを動かし、メインのClaude Codeとは別に専用タスクを処理させる仕組みです。
有効化は~/.openclaw/openclaw.jsonにacpセクションを追記するだけで、既存の設定には一切影響しません。
{ "agents": { "list": [ { "id": "main" } ] }, "acp": { "enabled": true, "maxAgents": 3 }}
追記後にゲートウェイを再起動すると、Slackから/acp spawn claudeのように独立エージェントを起動できるようになります。
ポイントACPの有効化は
acpセクションの追記のみです。既存のagents定義・cronジョブ・Slack設定は変更不要で、そのまま引き継がれます。
OpenClawでSlackから24時間Claude Codeを活用する基本的な設定については、OpenClawでClaude Codeを24時間Slack常駐させる完全ガイドで詳しく解説しています。
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法人向けClaude Code個別指導の無料相談はこちらよくある質問
Q. アップデート中にSlackエージェントは停止しますか?
openclaw update実行中は、ゲートウェイが自動再起動するタイミングで一時的に応答できない状態になります。ただし、再起動は通常数十秒程度で完了します。gateway再起動時はSIGTERMによるグレースフルシャットダウンが行われるため、処理中のタスクが急に中断されることはほとんどありません。再起動後はopenclaw statusでSlack接続がokになっていることを確認してください。
Q. cronジョブを設定済みの状態でアップデートしても設定は消えませんか?
消えません。cronジョブの定義は~/.openclaw/cron/jobs.jsonに保存されており、バージョンアップで変更されることはありません。実際にcronジョブを設定した状態でv2026.3.1へアップデートし、全ジョブが引き続き動作することを確認しています。
Q. openclaw updateとnpm install -gの違いは何ですか?
openclaw updateはOpenClawが提供する組み込みコマンドで、アップデート後の後処理(設定の検証など)が自動で実行される場合があります。npm install -gは特定バージョンを指定したい場合や、組み込みコマンドでエラーが出た場合の代替手段として使います。どちらを使っても最終的なインストール内容に差はありませんが、特定バージョンへのアップデートにはnpm install -g openclaw@2026.3.8のようにnpmコマンドを使う必要があります。
Q. バージョンアップ後にgatewayが起動しない場合の対処法は?
まずopenclaw doctor --fixを実行してください。それでも解決しない場合は、ログファイル(~/.openclaw/logs/gateway.log)でエラーの詳細を確認し、ポート競合(デフォルト: 18789)がないかを確認します。それでも解決しない場合は、npm cache clean --forceの後に再インストールを試みてください。
まとめ
OpenClawのバージョンアップは、以下の4ステップで安全に完了できます。
openclaw update(またはnpm install -g openclaw@バージョン)でインストールopenclaw --versionでバージョンを確認openclaw doctor --fixで設定の整合性を検証・修復openclaw gateway restartでゲートウェイを再起動
Slack連携・cronジョブ・セッション履歴はいずれも保持されるため、「既存の設定が壊れるのでは」という不安なくアップデートを進められます。アップデートのたびに設定ファイルのバックアップ(cp ~/.openclaw/openclaw.json ~/.openclaw/openclaw.json.bak)を取る習慣をつけておくと、万が一の際も安心です。
まずopenclaw --versionを実行して現在のバージョンを確認し、GitHub Releasesページの最新バージョンと比較してみてください。
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