GitHubのプライベートリポジトリに事業・クライアント情報を構造化することで、AIエージェントが毎回の状況説明なしに文脈を把握して動けるようになります。
- 要点1: info-hub(36ファイル・9事業)をGitHubで管理し、AIが自動参照する仕組みを実装した事例
- 要点2: launchdで2時間おきに自動同期することで、情報の鮮度を維持しながらメンテナンスコストをほぼゼロにできる
- 要点3: スキル方式・CLAUDE.md参照・OpenClaw連携の3パターンでAIへの情報提供を最適化できる
対象: Claude CodeやAIエージェントをビジネスで活用している経営者・DX推進担当者
今日やること: 自分の事業・クライアント情報をMarkdownファイルに書き出し、GitHubのプライベートリポジトリを作成する
この記事の目次
GitHubのプライベートリポジトリに事業・クライアント・スケジュール情報を構造化することで、AIエージェントが毎回ゼロから状況確認せずに、あなたの文脈を理解した上で動いてくれるようになります。
「AIに仕事を任せたいが、毎回同じ背景説明をするのが面倒」「案件が増えてきて、AIが全体像を把握できていない」——こうした課題を感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、9つの事業・複数クライアントの情報を管理する「info-hub」をGitHubで実際に構築した事例をもとに、AIエージェントのパフォーマンスを上げるための情報インフラの作り方を解説します。
なぜAIエージェントに「自分を理解させる」必要があるのか
AIエージェントと一緒に仕事をするうえで、最初に突き当たる壁が「コンテキストの問題」です。いくら優秀なAIでも、あなたの事業状況・クライアント関係・進行中のプロジェクトを知らなければ、表面的な回答しかできません。
AIエージェントが抱えるコンテキストの問題
Claude CodeをはじめとするAIエージェントは、会話のセッションをまたいで記憶を保持することが原則としてできません。昨日話した内容は、今日の会話には引き継がれないのです。
そのため、毎回「私はAI研修を提供している経営者で、現在Aさんという受講生を担当していて…」という説明から始めなければなりません。これは時間の無駄であるだけでなく、AIの推論精度にも影響します。背景情報が不足していると、AIは汎用的・表面的な提案しかできないからです。
情報を構造化して渡すことでAIの精度が上がる理由
逆に言えば、AIが参照できる「文脈の引き出し」を事前に用意しておけば、この問題は解決できます。
具体的には、あなたの事業概要・クライアントリスト・現在の優先タスク・重要な連絡先などをMarkdownファイルにまとめ、GitHubのプライベートリポジトリで管理します。AIエージェントを起動する際にこのファイル群を参照させることで、AIは「あなたがどんな仕事をしている人なのか」を即座に把握した上で動いてくれます。
ポイント情報ハブは「AIへの引き継ぎ書」と考えると分かりやすいです。新しいスタッフに仕事を引き継ぐときに渡す資料と同じです。書けば書くほど、AIの仕事の質が上がります。
GitHubプライベートリポジトリを情報ハブとして使うメリット
情報管理ツールはNotionやGoogleドライブなど様々な選択肢があります。その中でGitHubを選ぶ理由は何でしょうか。
バージョン管理ができる(変更履歴が残る)
GitHubはもともとコードのバージョン管理ツールです。Markdownファイルを管理する場合も同様に、いつ・何を・どう変更したかの履歴がすべて残ります。
「先月のクライアントAさんの状況はどうだったか」「事業の方向性はいつ変わったか」といった振り返りも簡単にできます。
テキストファイルベースでAIが読みやすい構造
NotionやGoogleドキュメントは人間には使いやすいですが、AIが読み込む際にはAPIや特別な設定が必要です。一方、GitHubのMarkdownファイルはテキストそのものであり、Claude CodeがBashコマンドで直接読み込めます。
# AIエージェントがinfo-hubの内容を直接読み込む例cat ~/info-hub/profile/overview.mdcat ~/info-hub/businesses/ai-coaching/overview.md
自動同期でメンテナンスコストを最小化
ローカルのinfo-hubフォルダに情報を追記したら、Macのlaunchdを使って2時間おきに自動でGitHubへプッシュする仕組みを作れます。情報を書いたら自動でクラウドバックアップされ、別のPCからも最新の情報にアクセスできます。
以下は各ツールとの比較です。
| 管理ツール | バージョン管理 | AI読み込みのしやすさ | 自動同期 | コスト |
|---|---|---|---|---|
| GitHub(プライベート) | ◎ | ◎(テキスト直接読込) | ○(要設定) | 無料〜$4/月 |
| Notion | △(ページ履歴のみ) | △(API必要) | ◎(自動) | 無料〜$16/月 |
| Google Drive | △(版履歴のみ) | △(API必要) | ◎(自動) | 無料〜$3/月 |
| ローカルフォルダ | △(手動git管理) | ◎(直接読込) | ✗(手動のみ) | 無料 |
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実際に構築した情報ハブの構造を紹介します。9事業・複数クライアントの情報を36ファイルで管理しています。固有名詞は伏せていますが、構造はそのまま参考にしていただけます。
プロフィールと事業情報の分け方
info-hub/├── README.md # ハブ全体の概要・使い方├── profile/│ ├── overview.md # 個人プロフィール(肩書・専門領域・SNS)│ └── career.md # 経歴・スキルセット├── businesses/ # 事業一覧│ ├── [事業A]/│ │ ├── overview.md # 事業概要・収益・現状│ │ └── clients/ # 事業に紐づくクライアント│ │ ├── [クライアント名]/│ │ │ ├── profile.md # クライアント基本情報│ │ │ ├── progress.md # 進捗・直近の状況│ │ │ └── notes.md # メモ・会話履歴の要約│ │ └── ...│ └── [事業B]/│ └── ...└── shared/ ├── actions.md # 現在の優先タスク・アクション ├── schedule.md # 重要な予定 ├── contacts.md # よく連絡する人一覧 └── config.md # ツール・サービスの設定情報
クライアント情報を事業にぶら下げる構造
クライアント情報は、独立して管理するより事業ごとにぶら下げる構造が便利です。「AI研修の受講生一覧」「SEOメディアの担当者一覧」といった形で、事業コンテキストと合わせて情報を把握できます。
各クライアントのフォルダに progress.md を作っておくと、「最近の進捗・次のアクション・課題」を記録でき、AIに「Aさんとの次回セッションで何を話すべきか」を確認させることもできます。
共通情報(スケジュール・連絡先・設定)の管理
shared/actions.md には現在の最優先タスクを常に記載します。AIに作業を依頼する際、最初に「今の最優先事項を確認してから進める」という習慣をつけると、的外れな提案を防げます。
AIエージェントから情報ハブを参照させる3つの方法
情報ハブを作ったら、AIエージェントにどう参照させるかを設計します。主に3つの方法があります。
スキル(SKILL.md)として設計する方法
Claude Codeには「スキル」という仕組みがあります。スキルとは、特定の作業手順をMarkdownファイルにまとめたものです。「情報ハブを確認してください」と話しかけた時に自動で動くスキルを作ることで、必要な時だけinfo-hubを参照させられます。
Claude Codeとは、Anthropic社が提供するAIコーディングツールです。ターミナル上で対話しながらファイルの作成・編集・コマンド実行を行えます。(Claude Codeの詳細はこちら →)
# info-hubスキルの例(~/.claude/skills/info-hub/SKILL.md)あなたの状況を把握するために、以下のファイルを順番に読み込んでください:1. ~/info-hub/README.md2. ~/info-hub/profile/overview.md3. ~/info-hub/shared/actions.md4. 関連する事業フォルダのoverview.md読み込んだ後、「情報ハブを確認しました。現在の優先事項は〇〇です」と報告してください。
このスキルを作成したら、CLAUDE.mdにトリガーキーワードを登録します。「今の状況確認して」「情報ハブを読んで」などの言葉でスキルが起動するようになります。
CLAUDE.mdのimport機能で常時読み込む方法
より積極的に情報を提供したい場合は、CLAUDE.mdに直接importを記述する方法もあります。
CLAUDE.mdとは、Claude Codeがプロジェクト起動時に自動で読み込む設定ファイルです。プロジェクトのルール・コードスタイル・よく使うコマンドなどを記載しておくと、毎回説明しなくても Claude が把握してくれます。
# ~/.claude/CLAUDE.md の例## 自分の情報@~/info-hub/README.md@~/info-hub/profile/overview.md@~/info-hub/shared/actions.md
ただし、情報量が多すぎるとコンテキストウィンドウを圧迫するため、常時読み込みはREADME.mdとactions.mdなど軽量なファイルに絞り、詳細はスキル経由で参照する使い分けをおすすめします。
OpenClaw連携でSlack常駐AIが自動参照する方法
OpenClawとは、Claude Codeをバックエンドに持つAIエージェントをSlackなどのチャットツールに常駐させるためのソフトウェアです。SlackでメンションするとClaude Codeが動作し、作業を実行してくれます。(OpenClawの詳細 →)
OpenClawのcronジョブを設定することで、info-hubの更新を検知して定期的に「現在の優先事項」を確認したり、クライアントのフォローアップリマインドを自動で作成させることができます。
// cronジョブの設定例(~/.openclaw/cron/jobs.json){ "name": "info-hub-daily-check", "schedule": "0 9 * * *", "prompt": "info-hubを確認して、今日の優先アクションを3つ教えてください", "channel": "general", "enabled": true}
Claude Codeで情報ハブを作成し、AIエージェントに自分の文脈を理解させる仕組みを個別にサポートしています。「どこから手を付ければいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
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情報ハブを作っても、更新が手動では続きません。Macのlaunchd(macOSのジョブスケジューラ)を使って、2時間おきに自動でGitHubへ同期する仕組みを作ります。
launchdとは、macOSに標準搭載されているジョブスケジューラです。Windowsのタスクスケジューラに相当する機能で、指定した時間・間隔でコマンドを自動実行できます。
launchd plistファイルの書き方
以下のXMLファイルを ~/Library/LaunchAgents/info-hub.sync.plist として保存します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd"><plist version="1.0"><dict> <key>Label</key> <string>info-hub.sync</string> <key>ProgramArguments</key> <array> <string>/bin/bash</string> <string>/Users/[ユーザー名]/info-hub/scripts/sync-to-github.sh</string> </array> <key>StartInterval</key> <integer>7200</integer> <!-- 2時間 = 7200秒 --> <key>RunAtLoad</key> <true/></dict></plist>
同期スクリプトの作成
~/info-hub/scripts/sync-to-github.sh に以下を記述します。
#!/bin/bashcd ~/info-hubgit add -Agit diff --cached --quiet || git commit -m "auto sync: $(date '+%Y-%m-%d %H:%M')"git push origin main
作成後は chmod +x ~/info-hub/scripts/sync-to-github.sh で実行権限を付与し、launchctl load ~/Library/LaunchAgents/info-hub.sync.plist で有効化します。
Google Meet文字起こしをGitHub Actionsで自動取り込む応用例
さらに高度な使い方として、Google Meetの文字起こしファイルをinfo-hubに自動取り込むことができます。
Google Meetの文字起こしはGoogleドライブに自動保存されます。GitHub Actions(GitHubのCI/CDサービス)を使って、毎日22:00に「AI個別指導」を含む予定名のMeet録画を検索し、文字起こしをinfo-hubの該当クライアントフォルダに自動追記する仕組みを構築できます。
# .github/workflows/fetch-meet-notes.yml の概要name: Fetch Meet Noteson: schedule: - cron: '0 13 * * *' # 22:00 JST = 13:00 UTCjobs: fetch: runs-on: ubuntu-latest steps: - uses: actions/checkout@v4 - name: Fetch Google Meet notes run: python3 scripts/fetch_meet_notes.py env: GOOGLE_SA_KEY: ${{ secrets.GOOGLE_SA_KEY }}
このスクリプトはGoogle Drive APIを使い、「AI個別指導」で検索したイベントの文字起こしファイルを取得し、businesses/ai-coaching/clients/[クライアント名]/notes.md に追記します。
セキュリティと運用上の注意点
個人情報・クライアント情報をGitHubで管理する際のセキュリティについて確認しておきましょう。
書くべき情報と書かない情報の判断基準
プライベートリポジトリであれば、基本的には事業状況・クライアントの進捗・連絡先などを記載して問題ありません。ただし、以下の情報はファイルに直接書かず、別の方法で管理することをおすすめします。
| 書いてよい情報 | 書かない方がいい情報 |
|---|---|
| 事業概要・ターゲット | APIキー・パスワード |
| クライアントの氏名・会社名 | クレジットカード情報 |
| 進捗・課題・次のアクション | 契約金額・報酬の詳細 |
| 連絡先(メール・電話) | 機密性の高い個人情報 |
APIキーやパスワードはmacOSのKeychainで管理し、スクリプトからKeychain経由で読み出す方式が安全です。
2要素認証とSSHキーの管理
GitHubアカウントは必ず2要素認証(2FA)を設定してください。プライベートリポジトリへのアクセスはHTTPS(個人アクセストークン)よりもSSHキーを使う方が安全で、ターミナルからの操作もスムーズです。
SSHキーの設定はGitHub公式ドキュメントに手順が記載されています。Claude Codeを使っている場合は「GitHubのSSH設定をして」と頼めばターミナルで手順を実行してもらえます。
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法人向けClaude Code個別指導の無料相談はこちらよくある質問
Q. AIに自分の仕事内容を理解させるにはどうすればいいですか?
まずは自分の事業・クライアント・現在の優先タスクをMarkdownファイルに書き出すことから始めてください。完璧な構造を目指す必要はなく、README.md 1枚に「私はこういう仕事をしています」と書くだけでも、AIの回答精度が大きく変わります。そのファイルをClaude Codeのセッション開始時に「これを読んでください」と渡すだけでも効果があります。
Q. GitHubのプライベートリポジトリをClaude Codeから読み込ませる方法は?
最もシンプルな方法は、リポジトリをローカルにクローンし、そのファイルをClaude Codeから cat コマンドで読み込む方法です。git clone git@github.com:[ユーザー名]/info-hub.git ~/info-hub でローカルに展開すれば、~/info-hub/ 以下のファイルをいつでも参照できます。
Q. CLAUDE.mdとinfo-hubスキルはどう使い分けるべきですか?
CLAUDE.mdには「常時知っておいてほしい最小限の情報」(言語設定・コードスタイル・よく使うコマンドなど)を書くのがおすすめです。info-hubの参照はスキルとして作成し、「状況確認して」などの言葉でトリガーする方式にすることで、コンテキストウィンドウを効率よく使えます。
Q. 社内情報をAIに渡すとセキュリティは大丈夫ですか?
Claude Codeはローカル環境で動作します。入力した情報はAnthropicのAPIを経由しますが、入力データがモデルの学習に使用されない設定になっています。社内ガイドラインに照らし合わせた上で、機密性の高い情報は概要のみ記載するなど、情報の粒度を調整することをおすすめします。
まとめ
GitHubのプライベートリポジトリを情報ハブとして活用することで、AIエージェントがあなたの文脈を理解して動いてくれるようになります。
ポイントを整理します。
- 情報構造の設計: profile・businesses(+clients)・shared の3層構造が実践しやすい
- 自動同期の仕組み: launchdで2時間おき、GitHub Actionsで会議内容を自動取り込み
- AIへの情報提供方法: スキル方式(必要時のみ)+CLAUDE.md(最小限の常時参照)の組み合わせが効率的
最初の一歩は、README.md 1枚から始めることです。「私は何者で、今何に取り組んでいるか」を書いたファイルをGitHubのプライベートリポジトリに置いてみてください。それだけでAIとの作業効率が変わります。
Claude Codeの導入・活用をサポートします
株式会社Nexaでは、Claude Codeを活用した業務自動化の個別指導・企業研修を提供しています。情報ハブの設計からOpenClaw連携まで、非エンジニアの方でも3ヶ月で業務自動化を実現できるプログラムです。「何から始めればいいかわからない」という段階からご支援いたします。





