AI個別指導の運営をClaude Code+Slackで効率化した事例

AI個別指導 Slack Claude Code 効率化のイメージ画像

AI個別指導の運営業務をClaude Code+Slackで自動化し、月20時間以上の工数削減を実現した事例です。

  • 要点1: クライアント別Slackチャンネル+OpenClawで24時間AI応答・日程通知を自動化
  • 要点2: Slackのフィードバックを読み込んでClaude Codeが教材ファイルを直接修正
  • 要点3: 録画ファイルをGoogle Driveに自動格納し、Slack通知で受講生に一括連絡

対象: AI個別指導・オンライン研修を運営している講師・事業者

今日やること: OpenClawをインストールしてSlackトークンを設定し、クライアントチャンネルにAIを常駐させる

この記事の著者
川島陸

株式会社Nexa 代表取締役川島 陸

一橋大学経済学部卒業後、フォーティエンスコンサルティング株式会社(旧 株式会社クニエ)にて法人向けAI導入支援等を経験。独立後、AI系メディア運営やDify/n8nの導入支援を経て、株式会社Nexaを創業。法人向けAI研修・AI導入支援・AI関連メディア運営を手掛ける。

AI個別指導の運営では、受講生一人ひとりへの対応が増えるほど、日程調整・教材更新・連絡業務が積み重なっていきます。Claude CodeとSlackを組み合わせることで、こうした運営業務の多くを自動化し、講師が本来の指導に集中できる環境を作れます。

あるAI個別指導サービスの運営事例では、Claude CodeとOpenClaw(Slackに常駐するAIエージェント)、gogcli(Google Workspace CLIツール)の3点セットを組み合わせることで、運営に関わる月20時間以上の工数を削減できました。

この記事では、実際の運営で使ったワークフローと、つまずいたポイントの解決策を具体的にご紹介します。

AI個別指導の運営で「地味な作業」が積み重なる

AI個別指導を始めると、最初のうちは受講生が少ないため手作業でも問題になりません。しかし受講生が5名、10名と増えてくると、日々の運営作業が講師の稼働を圧迫するようになります。

クライアント管理・連絡対応の負担

受講生ごとにSlackチャンネルを作成して個別対応するケースは多いですが、複数チャンネルを同時に管理するのは意外に手間がかかります。

  • 次回講座の日時をリマインドする
  • 宿題の提出状況を確認する
  • 質問に対して適切なタイミングで回答する

これらを手動で行うと、チャンネル数に比例して対応コストが増加します。Uravation社の調査によると、企業の業務連絡・スケジュール管理に月平均15〜20時間が費やされており、AI自動化によってこの時間を大幅に削減できると報告されています。

教材の準備と更新作業

講座内容は受講生のレベルや要望に応じて都度修正が必要です。「GitHubのパートが難しすぎた」「Claude in Chromeのインストール手順をもっと丁寧に」といったフィードバックをSlackで受け取るたびに、Markdownファイルを開いて手動で修正していては、時間がいくらあっても足りません。

録画ファイルの管理と共有

オンライン講座の録画は容量が大きく、適切に管理しないと「どの録画がどの回の講座か」がわからなくなります。受講生からのリクエストに応じてファイルを探し、共有リンクを送るだけでも、一度に10分前後かかることがあります。

Slackをハブにしたクライアント管理の仕組み

こうした課題を解決する出発点は、Slackを中心に据えた自動化の仕組みを構築することです。

クライアント別チャンネルの設計

受講生1名につき専用のプライベートチャンネルを作成し、講師・受講生・AIエージェントの3者が参加する構成にします。

チャンネル名の例 用途
coaching-tanaka 田中様専用(進捗管理・質問)
coaching-sato 佐藤様専用(進捗管理・質問)
coaching-notifications 全体への一括通知(録画共有など)

この設計により、受講生は自分のチャンネルに書くだけでAIが応答し、講師は全チャンネルをまとめて確認できます。

OpenClawでSlackにAIを常駐させる

OpenClawとは、Claude Codeをベースにした24時間稼働のAIエージェントフレームワークです。Mac mini等の常時稼働マシンで動かすことで、Slackにメンションされた質問に自動応答させられます。(OpenClawでClaude Codeを24時間Slack常駐させる完全ガイド →

OpenClawを使うと、以下のような自動応答が実現できます。

  • 「次回の講座はいつですか?」→ Googleカレンダーを参照して自動回答
  • 「○○について教えてください」→ 教材ファイルを参照して回答
  • 深夜や週末の問い合わせも即時対応

講師が直接回答する必要があるのは、OpenClawが答えられなかった複雑な質問のみになります。

日程調整の自動通知をgogcliで実現

gogcliは、Google Workspace(Gmail・カレンダー・Drive等)をCLIから操作できるツールです。Claude CodeからgogcliとOpenClawを組み合わせることで、毎朝の日程通知を自動化できます。

cronジョブの設定例:毎朝7:30に「今日の講座予定」をSlackの各クライアントチャンネルに自動通知

実際の通知文は次のようなイメージです。

【今日の講座リマインド】本日15:00より第5回講座を開催します。前回の課題「Claude Codeで簡単なスクリプトを作ってみる」を事前に試しておくと理解が深まります。ご不明な点はこのチャンネルへどうぞ。


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教材の修正・更新をClaude Codeで効率化する

講座を運営していると、受講生からのフィードバックや自身の気づきをもとに、教材を頻繁に更新することになります。Claude Codeを使うと、Slackのフィードバックを直接読み込んで教材を修正できます。

SlackのスレッドをClaude Codeに読み込む

ある講座では、受講生から「GitHubのパートが難しすぎる。Gitの基本体験ワークに変えてほしい」というフィードバックがSlackのスレッドに書き込まれました。

従来の手順:1. Slackを開いてフィードバックを読む2. 教材ファイルを開く3. 該当箇所を手動で修正4. 保存してファイルを受講生に再送

Claude Code活用後の手順:1. Slackのスレッドリンクを貼り付けて「このフィードバックに従って教材を修正して」と伝える2. Claude Codeがスレッドを読み込み、Markdownファイルを直接修正3. 差分を確認して問題なければ完了

フィードバックを反映したmd修正の自動化

実際にあった修正依頼の例をご紹介します。

「第5週の教材について、GitHub CLIのパートは削除してGitの基本体験ワークに変えたい。受講生にはオセロゲームをClaude Codeで作らせて、git commitを体験させてから、画面の見た目を修正→git revertで元に戻す体験をさせたい」

このフィードバックを受け取ったClaude Codeは、対象のMarkdownファイルを読み込み、GitHub CLIに関する座学・ワークパートを削除した上で、Git体験ワーク(オセロゲーム作成→commit→リバート)の手順を新たに記述しました。

また、「dangerouslySkipPermissionsとはを説明するスライドがないまま、いきなりリスクの説明になっていて唐突」というフィードバックに対しても、概念説明のスライドを先に追加し、その後リスクの説明が来る構成に組み替えました。

diff-tableで変更点を可視化する

教材を修正した後は、どこが変わったのかを一覧で確認することが重要です。Claude Codeのdiff-tableスキルを使うと、旧バージョンと新バージョンの変更点をASCIIテーブルで並べて表示できます。

構成の変更点:  ┌──────────────────────────────────┬────────────────────────────────────────────┐  │         旧(GitHub CLI含む)      │           新(Git体験ワーク追加)           │  ├──────────────────────────────────┼────────────────────────────────────────────┤  │ ワーク2: GitHub CLIセットアップ   │ ワーク2: Claude Codeでオセロ作成→git体験   │  │ 座学: gh auth loginの手順         │ 座学: Gitとは何か(概念から説明)           │  └──────────────────────────────────┴────────────────────────────────────────────┘

この可視化機能があることで、複数のフィードバックを反映した際でも「意図しない箇所まで変更されていないか」を素早く確認できます。

録画ファイルの保存・共有を自動化する

オンライン講座の録画ファイルは、毎回Google DriveにアップロードしてSlackで共有するという手順を踏みます。この作業もClaude Codeで自動化できます。

録画ファイルをDriveに自動アップロードする

gogcliのdrive uploadコマンドを使うと、コマンドライン操作だけで指定フォルダへのアップロードが完了します。

# 録画ファイルを受講生ごとのフォルダにアップロードgog drive upload /path/to/recording.mp4 --folder "AI個別指導/tanaka"

フォルダ名に受講生名を指定しておくことで、「どの録画がどの受講生の何回目か」が自動的に整理されます。(gogcliでGoogle Driveのファイルを検索・アップロード・共有する →

Slack通知で受講生に自動連絡する

アップロードが完了したら、OpenClawが自動的に受講生のSlackチャンネルに録画リンクを通知します。

通知文のテンプレート例:

【講座録画のご案内】本日の第5回講座の録画を共有します。▶ 録画を見る次回講座は○月○日(○)15:00です。お疲れ様でした!

この仕組みによって、録画をアップロードした後の「Slackに共有リンクを貼る」作業が不要になります。

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運営でつまずいたポイントと解決策

実際の運営では、いくつかのトラブルに直面しました。同じ課題に直面した方の参考になるよう、解決策もあわせて紹介します。

OpenClawがSlackに返信しなくなった(stale-socket問題)

OpenClawを常駐させて数日使っていると、突然Slackへの返信が止まることがあります。原因の多くは「stale-socket(接続の腐敗)」です。

対処法:

  1. openclaw doctor --fix コマンドを実行する
  2. セッションクリーンアップを実施する(openclaw session clean
  3. ゲートウェイを再起動する

再起動後は正常に動作することがほとんどです。あらかじめOpenClawのcronジョブとして「毎日午前3時に自動再起動」を設定しておくと、この問題を未然に防げます。(OpenClawのトラブルシューティング →

受講生のSlackワークスペース権限問題

講座のワークの一環として「SlackアプリをAPIから作成してWebhook URLを取得する」という体験をさせようとした際、受講生が自分のSlackワークスペースの管理者権限を持っていないことが判明しました。

対策:- 講座用のテスト用Slackワークスペースを事前に1つ作成し、受講生を招待する- または、権限問題を先に説明した上で「自分のワークスペースがある人」と「ない人」でルートを分けて説明する

この落とし穴は、実際に運営してみて初めて気づいた点です。受講生向けに「必要なもの一覧」を事前に配布する際には、Slackワークスペース(管理者権限付き)の有無を確認する項目を加えることをおすすめします。

Taildropを使ったMac間のファイル転送

Claude Codeは複数のマシン(たとえばMac miniとMacBook Air)で使い分けることがあります。教材ファイルをMac miniで修正してMacBook Airに送る場合、Tailscale(VPNツール)のファイル転送機能「Taildrop」が便利です。

# Mac miniからMacBook Airへ教材ファイルを送信tailscale file cp /path/to/教材.md macbook-air:

受け取り側ではtailscale file get ~/Desktop/で取り出せます。この仕組みにより、同一ネットワーク外にいる場合でも安全にファイルをやりとりできます。

よくある質問

Q. Slackの無料プランでも使えますか?

OpenClawとgogcliはSlack APIを使って動作するため、Slackの無料プラン・有料プランどちらでも利用できます。ただし、無料プランではメッセージ履歴の閲覧に制限があるため、過去のやりとりを遡って参照したい場合はSlack Proプランへの移行を検討してください。

Q. プログラミングの知識がなくても導入できますか?

OpenClawのインストールとSlackトークンの設定は、コマンドラインの基本操作ができれば対応可能です。Claude Codeが具体的な手順を教えながらサポートしてくれるため、非エンジニアの方でも段階的に習得できます。ただし、cronジョブの設定やgogcliの連携は多少の慣れが必要です。個別指導を活用しながら導入する方法が最もスムーズです。

Q. OpenClawとは何ですか?別途費用がかかりますか?

OpenClawは、Claude Codeをバックエンドとして動作するオープンソースのAIエージェントフレームワークです。Claude CodeのAPIを使用するため、使用量に応じたAPI費用(Claude Maxプラン月額100ドル、またはトークン従量課金)がかかります。OpenClaw自体の追加費用はありません。

Q. 受講生がSlackに慣れていない場合はどうすればいいですか?

Slackに不慣れな受講生には、まず「プロフィール設定」「メッセージの送り方」「スレッドの返信方法」を第1回講座の冒頭10分でハンズオン形式で教えることをおすすめします。OpenClawが常駐しているため、「Slackの使い方がわからない」という質問にもAIが即座に回答できます。

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まとめ

AI個別指導の運営をClaude Code+Slackで効率化するポイントを振り返ります。

  1. Slackをハブにする: クライアント別チャンネルにOpenClawを常駐させ、日程通知・質問対応を自動化する
  2. 教材修正をClaude Codeに任せる: Slackのフィードバックをそのまま読み込んで、Markdownファイルを自動修正する
  3. 録画共有を自動化する: gogcliでDriveにアップロード後、OpenClawが自動的にSlack通知する
  4. トラブルに備える: stale-socket対策(自動再起動設定)と受講生のSlack権限問題を事前に把握しておく

まずはOpenClawをインストールしてSlackに接続するところから始めると、最も早く効果を実感できます。


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