マネックス証券「MONEX MCP Server」開始|ChatGPT・Claudeで口座情報を確認

MONEX MCP Serverのイメージ画像

マネックス証券は2026年8月19日、ChatGPT・Claudeから口座情報を確認できるMONEX MCP Serverを開始しました。

  • 要点1: 資産残高、注文状況、入出金履歴などを自然な会話で確認可能
  • 要点2: ChatGPTプラグインとClaudeのカスタムコネクタに対応
  • 要点3: 実際の売買は行わず、参照とシミュレーションを中心に提供

対象: AI連携サービスを企画する事業責任者・DX推進担当者

今日やること: 自社サービスでAIに開放できる「参照専用データ」を1つ選ぶ

この記事の著者
株式会社Nexa 代表取締役川島 陸

一橋大学経済学部卒業後、フォーティエンスコンサルティング株式会社(旧 株式会社クニエ)にて法人向けAI導入支援等を経験。独立後、AI系メディア運営やDify/n8nの導入支援を経て、株式会社Nexaを創業。法人向けAI研修・AI導入支援・AI関連メディア運営を手掛ける。

マネックス証券は2026年8月19日、「MONEX MCP Server」の提供を開始しました。ChatGPTやClaudeに証券総合口座を接続し、「現在の資産状況を教えて」「今月の入出金履歴を確認したい」と自然な言葉で質問できます。

金融サービスと生成AIの連携で注目すべきなのは、回答の便利さだけではありません。既存サービスのデータへ、各社のWebサイトやアプリではなく、普段使うAIの会話画面から到達できるようになった点です。

一方、発表時点の機能は情報参照とシミュレーションが中心です。生成AIから株式を発注したり、資金を移動したりする機能は示されていません。金融のような高リスク領域で、まず読み取り中心から始める設計にも実務上の意味があります。

MONEX MCP Serverとは

MONEX MCP Serverは、マネックス証券の口座情報や関連サービスをAIプラットフォームへつなぐMCPサーバーです。

MCP(Model Context Protocol)は、AIが外部のデータやツールへ接続する方法を共通化するための仕組みです。サービスごと、AIごとに連携方式を一から作る負担を減らし、必要な権限の範囲で情報を受け渡せます。

マネックス証券は、同サービスを主要証券会社で初めて「ChatGPTプラグイン」に対応したサービスと説明しています。ただし、この「初」は同社調べです。比較対象は、2026年8月19日時点の総合証券大手5社と主要ネット証券5社の公式サイト、ニュースリリース、公開情報とされています。

Impress Watchによると、MONEX MCP Serverはマネックス証券の社内開発チームが企画・設計・開発し、OpenAIの審査・承認を経てChatGPTプラグインとして公開されました。Claudeでは、ユーザーがリモートMCPサーバーを登録するカスタムコネクタとして利用できます。

項目 発表時点の内容
提供開始 2026年8月19日
対応AI ChatGPT、Claude
主な用途 証券口座・資産・履歴・商品情報の参照、資産設計の試算
認証 利用規定への同意後、本人がマネックス証券口座へログイン
実行機能 実際の売買は行わない

ChatGPT・Claudeで確認できる情報

公式発表では、口座の状況確認から投資信託の検索まで、5つの用途が示されています。

資産と口座の状況

資産合計、現金、外貨の残高をまとめて確認できます。対象には国内株式、米国株、中国株、投資信託、債券、外貨建てMMF、FX、先物・オプション、信用取引、金・プラチナ、ON COMPASSなどが含まれます。

複数の資産区分を横断して把握できるため、個別画面を切り替えながら数字を集める手間を減らせます。ただし、AIの回答だけで判断せず、重要な金額は証券口座の公式画面でも確認する運用が安全です。

取引や入出金の履歴

入金、出金、配当金などの履歴に加え、国内株式の注文状況、投資信託の買付や積立内容を確認できます。期間や目的を自然な文章で指定できることが、従来の一覧画面との違いです。

資産推移と投資信託情報

MONEX VIEWを通じて、資産額の増減や保有銘柄の推移を確認できます。投資信託は、基準価額、手数料、NISA対象の有無、ランキングなどを調べられます。

資産設計のシミュレーション

MONEX VISIONでは、目標とする資産配分や将来の見通しを確認できます。「買い増す」「一部を売る」「リバランスする」と仮定した場合の配分変化も試算できます。

ここで重要なのは、シミュレーション結果がそのまま発注されるわけではない点です。公式発表は「実際の売買は行いません」と明記しています。

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ChatGPTとClaudeでの利用方法

ChatGPTでは、メニューの「プラグイン」から「マネックス証券」を検索し、インストールします。利用約款・利用規定へ同意して証券口座へログインすると接続が完了し、チャット画面で「@」からアプリを選択できます。

Claudeでは、パソコンのWeb版またはデスクトップアプリから初期設定します。「カスタマイズ」内の「コネクタ」でカスタムコネクタを追加し、マネックス証券が案内するリモートMCPサーバーを登録します。その後、利用規定への同意と証券口座へのログインが必要です。

いずれも、ユーザー自身によるログインが前提です。接続後はChatGPTまたはClaudeの設定画面から解除できます。対象プランや画面構成は各AIサービスの更新で変わる可能性があるため、導入時は最新の公式案内を確認してください。


AIと社内システムを接続する際は、機能選定だけでなく、認証・権限・監査まで一体で設計する必要があります。

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金融機関のMCP対応が示す3つの変化

MONEX MCP Serverは一つの証券サービスですが、企業のAI活用にも共通する変化を示しています。

1. 会話画面がサービスの入口になる

従来は、ユーザーがサービスのWebサイトやアプリを開き、目的のメニューを探す必要がありました。MCP連携では、ユーザーが使い慣れたAIへ目的を伝え、必要な情報を呼び出せます。

企業側から見ると、生成AIは問い合わせ対応の補助ではなく、既存サービスへ到達する新しいインターフェースになり得ます。自社アプリを置き換えるのではなく、公式画面と会話画面を役割分担させる設計が現実的です。

2. 一つの接続方式を複数AIで使える

今回、同じサービスがChatGPTとClaudeの両方に対応しました。画面上の設定方法は異なりますが、外部データをAIへつなぐ基盤としてMCPが使われています。

企業が独自連携をAIサービスごとに作る場合、開発と保守の負担が増えます。標準化された接続方式を採用すると、連携ロジックを共通化しつつ、利用者が選ぶAIクライアントへ展開しやすくなります。

3. 高リスク領域は参照系から始められる

便利さを優先して、最初から更新や実行を許可する必要はありません。MONEX MCP Serverは、残高や履歴の参照、資産配分のシミュレーションを提供する一方、実際の売買は行いません。

これは企業のMCP導入でも参考になります。第1段階では「読む」、第2段階で「下書きを作る」、十分な承認と監査を整えた後に「実行する」と権限を広げれば、利便性と安全性を両立しやすくなります。

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企業がMCP連携で確認すべき4項目

1. 認証と同意の境界を明確にする

AIへのログインと、接続先サービスへのログインは別の認証です。誰が、どのサービスへ、どの範囲で接続したかを記録し、本人の明示的な同意を得る必要があります。

共有AIアカウントで個人情報や機密情報へ接続する運用は避けます。企業向けアカウント、シングルサインオン、多要素認証などを前提に設計してください。

2. 最小権限で公開する

AIが必要とするデータだけを、必要な期間だけ参照できるようにします。最初から全データと更新権限を開放すると、誤操作や情報漏えいの影響範囲が大きくなります。

MONEX MCP Serverのように参照中心から始める方法は、権限設計を検証するうえで合理的です。参照機能の中でも、顧客情報、社内情報、公開情報を分け、目的別に許可範囲を定義します。

3. AI回答を公式記録と混同しない

生成AIは、取得したデータを会話として整理する過程で、解釈や要約を加えることがあります。金額、期限、契約条件などの重要情報には、原典を確認できる導線が必要です。

企業向けシステムでは、取得時刻、参照元、ユーザー、実行したツール、回答結果を監査ログへ残します。誤回答が起きた際に、AIの生成部分と外部システムから取得した事実を切り分けられる設計が重要です。

4. 解除と障害時の代替導線を用意する

接続解除、認証情報の失効、退職者の権限削除を管理手順へ組み込みます。AIサービスやMCPサーバーに障害が起きても、公式のWebサイトや業務システムから同じ情報へ到達できる状態を維持してください。

「AIから使える」ことと「AIがなければ使えない」ことは異なります。導入初期は既存画面を正本とし、AIを補助的な入口として扱う方が安全です。

利用前に押さえたい注意点

MONEX MCP Serverを利用する場合、次の点を確認してください。

  • 利用には本人によるマネックス証券口座へのログインが必要
  • ChatGPT・Claude側の利用可能プランや画面は変更される可能性がある
  • 接続は各AIの設定画面から解除できる
  • サービスは情報提供目的で、投資助言や将来の成果を保証しない
  • 最終的な投資判断と重要情報の確認は利用者自身が行う

口座データは機密性の高い情報です。共有端末や共有アカウントでの利用を避け、不要になった接続は解除するなど、基本的なアカウント管理も欠かせません。

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よくある質問

Q. MONEX MCP Serverで株式を売買できますか?

発表時点では、口座・資産・履歴の参照と資産設計のシミュレーションが中心です。MONEX VISIONで配分変化を試せますが、公式発表は実際の売買を行わないと明記しています。

Q. ChatGPTとClaudeの両方で使えますか?

はい。ChatGPTではプラグイン、Claudeではカスタムコネクタとして案内されています。利用には規定への同意と、本人によるマネックス証券口座へのログインが必要です。

Q. 「主要証券会社初」はどの範囲ですか?

マネックス証券の2026年8月19日時点の調査による表現です。総合証券大手5社と主要ネット証券5社の公式サイト、ニュースリリース、公開情報が比較対象です。

まとめ

MONEX MCP Serverにより、マネックス証券の利用者はChatGPTやClaudeから、資産残高、注文状況、入出金履歴、投資信託情報などを確認できるようになりました。

企業にとって重要なのは、MCPがAIと業務データを結ぶ技術であるだけでなく、既存サービスの入口を会話画面へ広げる仕組みだという点です。高リスク領域では、参照専用、小さなデータ範囲、本人認証、監査ログから始めると安全に検証できます。

出典


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