X Ads MCPとは?23ツールの機能と導入手順

X Ads MCPのイメージ画像

X Ads MCPは、X広告の参照、分析、作成、管理に対応する23ツールをAIから利用できる公式サーバーです。

  • 要点1: Grok、Claude Code、カスタムMCPクライアントに対応
  • 要点2: campaignとline itemは必ずPAUSEDで作成される
  • 要点3: 読み取り専用ではads.writeを外して権限を限定できる

対象: X広告を運用する企業のマーケティング責任者、DX推進担当者

今日やること: 検証用appを用意し、ads.readだけで接続を試す

この記事の著者
株式会社Nexa 代表取締役川島 陸

一橋大学経済学部卒業後、フォーティエンスコンサルティング株式会社(旧 株式会社クニエ)にて法人向けAI導入支援等を経験。独立後、AI系メディア運営やDify/n8nの導入支援を経て、株式会社Nexaを創業。法人向けAI研修・AI導入支援・AI関連メディア運営を手掛ける。

X Ads MCPは、X広告の参照、分析、作成、管理を自然言語から実行できる公式MCPサーバーです。Xは2026年8月22日(日本時間)、X Business公式アカウントで提供を発表しました。

独自のAds APIクライアントを開発せず、GrokやClaude Codeから23ツールを利用できます。企業で試す場合は読み取り専用から始め、配信開始(activate)の承認を分ける方法が安全です。

X Ads MCPは23ツールを提供する公式サーバー

MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルと外部サービスを共通の方法で接続するオープン規格です。X Ads MCPは、X Ads APIの機能をGrok、Claude Code、カスタムMCPクライアントへ提供します。

接続先はhttps://ads-api.x.com/mcpです。公式ドキュメントによると、利用できるツールは次の23個です。

カテゴリ 主な処理
Accounts & Reads 9 アカウント、campaign、line item、投稿、資金設定の参照
Analytics 2 アカウント統計、campaign reachの取得
Targeting Search 2 興味関心と地域の検索
Writes 10 campaign、line item、targeting、広告投稿の作成と更新

AIは複数ツールを順に呼び出せます。たとえば、広告アカウントと資金設定を確認し、campaignを作成してからline itemとtargetingを追加する流れです。

書き込み時は、campaign(広告施策の上位単位)とline item(目的、予算、入札などを設定する配信単位)が必ずPAUSEDで作成されます。明示的にactivateするまで広告費は発生しません。この初期状態は誤操作を抑える助けになりますが、activate後の予算超過まで防ぐ仕組みではありません。

Ads ManagerやAds API直接実装との違い

X Ads MCPはX Ads Managerの単純な代替ではなく、AIへ自然言語で指示する新しい操作方法です。

手段 操作方法 導入負荷 自動化 適する用途
X Ads Manager ブラウザ画面 低い 限定的 少数campaignの手動運用と最終確認
Ads API直接実装 プログラム 高い 高い 固定業務の大規模処理と既存システム連携
X Ads MCP AIへの自然言語指示 中程度 AIが23ツールを組み合わせる 調査、分析、下書き作成、対話的な運用

直接実装では認証やAPI処理を開発側が用意します。X Ads MCPは接続処理を減らせますが、AIの出力確認と社内承認は残ります。

公式発表の動画に登場する効果数値や予算増額例は、公式ドキュメント本文で条件や算出方法を確認できません。そのため、本記事では一般的な効果や推奨施策として扱いません。

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法人で使える業務と人が判断する業務

初期導入では、データの読み取りと分析から始めるのが適切です。広告費を動かさず、取得範囲と回答精度を確認できるためです。

X Ads MCPに任せやすい業務は次のとおりです。

  • 広告アカウントと稼働中campaignの一覧取得
  • 期間を指定した実績の集計と比較
  • 興味関心や地域targetingの候補検索
  • 命名規則に沿ったcampaignとline itemの下書き作成
  • PAUSED状態の設定内容を確認するための一覧化

一方、予算上限の変更、配信対象の確定、activate、停止判断は事業責任を伴います。AIが実行できても、担当者だけで完結させず、承認者を決めるべき処理です。

X Ads MCPを導入する3ステップ

導入作業は、X appの準備、MCPクライアントとの接続、読み取りからの検証という3段階です。

1. X appと広告アカウントを準備する

X Developer Consoleでappを作成し、App PermissionsをRead and Writeに設定します。Claude Codeで接続する場合は、public clientであるNative Appが必要です。Callback URIにはhttp://localhost:8080/callbackを登録します。Project AccessのMANAGEからAds Projectを選び、Ads APIへのアクセスを有効にしてください。

利用者のXアカウントには、対象広告アカウントへのアクセス権が必要です。https://ads.x.com/を開き、対象アカウントが表示されるか確認します。MCPから見える範囲も、この利用者がアクセスできる広告アカウントに限られます。

2. Claude CodeなどのMCPクライアントへ接続する

Claude Codeでは、公式ドキュメントに次のコマンドが掲載されています。

claude mcp add x-ads https://ads-api.x.com/mcp \  --transport http \  --client-id YOUR_OAUTH2_CLIENT_ID \  --callback-port 8080

実行後、Claude Code内で/mcpを開いて認証します。Client IDには、Keys and tokensに表示されるOAuth 2.0 Client IDを使います。数値のapp IDではありません。

利用するOAuth scope(許可する操作範囲)はads.readads.writeoffline.accessです。分析だけを行う場合はads.writeを外します。

Claude Codeで読み取り専用にする場合は、~/.claude.jsonの対象サーバーにOAuth設定を追加します。scopeの値は、スペース区切りのads.read offline.accessです。

3. 読み取りから試し、PAUSED作成を検証する

最初は「広告アカウントを一覧にする」「先週のcampaign実績を表示する」といった参照処理を試します。対象アカウント、期間、指標が意図どおりかを人が照合してください。

書き込み検証へ進む場合も、検証用のcampaignをPAUSEDで作成し、Ads Managerで設定を確認します。activateは別の承認工程に分けます。作成と配信開始を一つの指示にまとめない運用が安全です。

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権限、予算、承認、監査ログを先に設計する

PAUSEDで作成される仕様だけでは、法人の管理要件を満たしません。権限、予算、承認、記録を接続前に決める必要があります。

管理項目 最低限決めること
権限 閲覧者はads.readだけにし、書き込み用appと分ける
予算 日額と総額の上限、変更可能な範囲、異常時の停止条件
承認 作成者とactivate承認者を分け、承認対象を明文化する
監査ログ 指示文、ツール呼び出し、結果、対象ID、承認者、実行時刻を保存する

公式ドキュメントは23ツールとOAuthの仕様を説明していますが、企業向けの監査証跡が自動で完成するとは記載していません。MCPクライアントの履歴だけに依存せず、社内チケットや運用台帳へ変更前後の値を残す設計が必要です。

access tokenやrefresh tokenは、AIへの指示文、チケット、運用台帳へ記録しないでください。認証情報は、利用するクライアントの安全な認証ストアや組織のsecret managerで管理します。


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OAuthとtoken運用で詰まりやすい点

Xは、同じ(app, user)の組み合わせについて有効なOAuth grant(認可)を1つだけ保持します。同じappをClaude CodeとGrokで認証すると、後から認証したクライアントが以前のtokenを無効にします。複数クライアントを同時に使う場合は、クライアントごとにappを分けます。

offline.accessは継続運用に必要なscopeです。これがないaccess tokenは約2時間で失効し、refreshできません。継続運用では、自動refreshに対応するOAuth接続を使います。

Authorizationヘッダーへ静的なaccess tokenを設定する接続方法もあります。ただし、約2時間の有効期限に合わせた手動更新が必要です。手動でtokenを発行する場合は、refresh tokenが更新のたびにローテーションするため、常に最新の値を秘密情報として安全に保管してください。継続運用では自動refreshに対応する接続が管理しやすくなります。

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よくある質問

Q. X Ads MCPを接続すると広告費は自動で発生しますか?

接続しただけでは発生しません。公式ドキュメントでは、campaignとline itemは必ずPAUSEDで作成され、明示的にactivateするまで費用は発生しないと説明されています。ただし、activate後は設定した予算に従って配信されるため、開始前の承認は必要です。

Q. 読み取り専用で利用できますか?

利用できます。ads.readoffline.accessだけを許可し、ads.writeを外します。この場合、参照と分析はできますが、作成や更新のツールは認可エラーになります。初期PoCには読み取り専用が適しています。

Q. Claude CodeとGrokで同じX appを共有できますか?

設定自体はできても、同時利用には向きません。Xは同じ(app, user)で有効なOAuth grantを1つだけ保持するため、別クライアントで認証すると既存tokenが無効になります。公式ドキュメントは、複数クライアントを使う場合にappを分ける運用を案内しています。

まとめ

X Ads MCPは、X広告の参照から作成、管理までを23ツールとしてAIへ提供します。独自のAds APIクライアントを作らず、Claude CodeやGrokから対話的に扱える点が特徴です。

企業は専用appを用意し、まずads.readだけで取得範囲と精度を検証するのが現実的です。書き込みへ進む際は、予算上限、activate承認者、監査ログの保存先を先に決めてください。

公式情報:


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