Grok BuildにはWeb・モバイル版とCLI版の2系統があり、用途と操作場所が異なります。
- 要点1: Web・モバイル版はWeb、iOS、Androidで会話からアプリを制作できます
- 要点2: CLI版はターミナルで既存リポジトリを調査、編集、検証します
- 要点3: Web版は3段階の公開範囲とGitHub exportに対応します
対象: AIアプリの試作や既存コード開発を検討する企業担当者と開発者
今日やること: 公開情報だけで試作品を作り、公開範囲を「自分だけ」に設定する
この記事の目次
Grok Buildは、指示を文章で伝え、Webサイトやアプリ、コードを作れるxAIのサービスです。
現在は、Grokのチャット内で使うWeb・モバイル版と、ターミナルで動くGrok Build CLIがあり、操作場所や得意な作業が異なります。
2026年8月24日時点の公式情報を基に、両者の違い、使い方、料金の注意点、企業での導入手順を解説します。
Grok Buildとは
Grok Buildとは、自然言語による指示を基に、ソフトウェアの制作や開発作業を支援するGrokの機能・製品です。
名称を理解するには、2026年に行われた3回の公式発表を時系列で見ると分かりやすくなります。
| 日付 | 公式発表 | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年5月25日 | Introducing Grok Build | ターミナルで動くGrok Build CLIをEarly Betaとして発表 |
| 2026年7月28日 | Introducing Build Mode | GrokのWeb、iOS、Androidでアプリなどを作るBuild ModeをEarly Betaとして発表 |
| 2026年8月19日 | Grok Build on web and mobile | 旧Build ModeをGrok Buildとして案内し、Web・モバイルのevery planへ提供 |
検索結果にはCLIの記事とチャット内機能の記事が混在していますが、発表時期と利用形態が異なります。
本記事では、前者を「Grok Build CLI」、後者を「Web・モバイル版Grok Build」と表記します。
Web・モバイル版は旧Build Mode
Web・モバイル版Grok Buildは、作りたいものを説明すると、会話内でWebサイト、アプリ、ゲーム、ダッシュボードなどを構築する機能です。
画面を見ながら、会話で修正を重ねられる点が特徴です。
7月のEarly BetaではSuperGrok Heavy限定でしたが、8月19日にはWeb、iOS、Androidのevery planへ更新されました。
7月の限定条件と現在の条件を混同しないようにしてください。
CLI版はターミナルで動くコーディングエージェント
Grok Build CLIは、開発者のターミナルで動作するAIコーディングエージェントです。
公式DocsとGitHubでは、コードの理解、ファイル編集、コマンド実行、Web検索、長時間タスクの管理が案内されています。
全画面のTUI、スクリプト向けのheadless mode、他アプリに接続するAgent Client Protocol(ACP)に対応します。
既存リポジトリを調べ、複数ファイルを変更・テストする流れに向いています。
Web・モバイル版とGrok Build CLIの違い
2つのGrok Buildの違いをまとめると、次の通りです。
| 比較項目 | Web・モバイル版Grok Build | Grok Build CLI |
|---|---|---|
| 操作場所 | grok.com、iOS、Android | ターミナル、スクリプト、ACP対応アプリ |
| 導入 | Grokを開いてBuildを選ぶ | 端末へCLIをインストールする |
| 主な対象 | 企画担当者、デザイナー、開発者など | 主にソフトウェア開発者 |
| 得意な用途 | アイデアの可視化、プロトタイプ、ゲーム、公開デモ | 既存コードの調査、修正、テスト、自動化 |
| 主な成果物 | チャット内で動くアプリ、公開ページ | ローカルリポジトリのコード変更 |
| 公開 | grok.me、独自ドメイン |
Gitや既存の開発・配布工程を利用 |
| ローカル操作 | 公式発表ではチャット内制作が中心 | ファイル編集やコマンド実行を行う |
| GitHub | プロジェクトを書き出せる | GitHubを含む既存リポジトリで作業できる |
| 主な注意点 | 公開範囲、連携データ、API許可 | コマンド権限、秘密情報、差分レビュー |
Web・モバイル版は素早い試作、CLI版は既存の設計やGit運用を保つ開発に適しています。Web版からGitHubへ書き出し、CLI版で開発を続けることも可能です。
AI開発ツール全体との違いは、AIコーディングツール完全ガイドでも整理しています。
\ Claude Codeの導入、何から始めればいいかわかります /
法人様のAI導入に関するご相談はこちらWeb・モバイル版Grok Buildでできること・使い方
会話からアプリやWebサイトを作る
作りたいものを説明すると、Grokがコードを書き、動作するプレビューを会話内に表示します。
目的、利用者、入力、出力、画面、制約を具体的に伝えるほど、確認しやすい試作品になります。
grok.meで公開範囲を選べる
公開したアプリには、grok.me上のアドレスが付与されます。
公式発表で案内された公開範囲は次の3段階です。
- 自分だけ
- リンクを知っている人
- インターネット全体
検証段階では「自分だけ」を選び、内容を確認してから範囲を広げます。
「リンクを知っている人」は厳密な認証と同じとは限らないため、機密情報を扱う用途では実際のアクセス制御を確認してください。
独自ドメインも利用できます。X共有時にはカバーがインライン表示され、カバーの再生成や差し替えも可能です。適用条件は公式画面で確認しましょう。
SpaceXAI APIsをアプリ単位で許可できる
Web・モバイル版で作ったアプリから、SpaceXAI APIsのチャット、画像、音声を呼び出せます。
公式発表では、キーをコードへ貼り付けずに利用でき、アクセスはアプリ単位で許可・取り消しできると説明されています。
回数や対象プランまで無制限という意味ではないため、許可前に利用枠、請求表示、送信内容を確認してください。
Remix・GitHub export・Secrets・Connectorsに対応する
8月19日の発表では、制作後の発展に役立つ機能も案内されました。
| 機能 | 公式発表上の役割 | 利用時の確認点 |
|---|---|---|
| Remix | 公開されたアプリを基に別の版を作る | 再利用条件、公開情報、権利関係 |
| GitHub export | プロジェクト全体をリポジトリへ書き出す | 出力コード、依存関係、秘密情報 |
| Secrets | 外部サービスのAPIキーをコード外に保存する | 閲覧権限、更新、失効、ログへの露出 |
| Connectors | 必要なデータを取り込み、ダッシュボード等に使う | 接続先、取得範囲、更新、削除、権限 |
キーをプロンプトやソースコードへ直接書かず、Secretsの保存場所とアクセス権を確認します。Connectorsも必要以上のデータへ接続しないことが重要です。
外部連携の基礎は、Claude CodeのMCP連携ガイドでも解説しています。
画面は更新される可能性があるため、基本手順を説明します。
1. Web、iOS、AndroidでGrokを開く
Grokへログインし、モード選択からBuildを選びます。
表示されない場合は、アプリの更新状況と公式のお知らせを確認してください。
2. 作りたいものを具体的に説明する
最初の指示には、目的、利用者、主要機能、入力と出力、画面、制約を含めます。
たとえば、次のように依頼します。
営業担当者が商談前に確認項目を整理するWebアプリを作ってください。会社名、商談目的、確認項目、次回アクションを入力できるようにします。入力内容はブラウザを閉じると消える試作版にしてください。スマートフォンでも使いやすくし、未入力項目がある場合は警告を表示してください。公開前に確認すべき点も一覧で示してください。
実在する個人情報や社外秘データを使わず、架空のデータで試してください。
3. プレビューを操作して修正する
生成された画面を実際に操作し、期待した結果になるか確認します。
最低限、通常入力、未入力、長い文字列、誤った形式、スマートフォン表示を試しましょう。
修正は「ボタンを画面下部へ固定する」など、具体的に伝えます。
4. API、Secrets、Connectorsを確認する
外部機能は必要なものだけ有効にし、API許可、Secrets、Connectorの取得データを確認します。不要になった許可は取り消してください。
5. 公開範囲を選ぶ
初回は「自分だけ」で公開し、別の画面や端末から見え方を確認します。
次に、目的に応じて「リンクを知っている人」または「インターネット全体」を選びます。
公開ページには、入力可能な情報や必要な規約を表示しましょう。
6. 必要ならGitHubへ書き出す
継続開発、詳細なコードレビュー、独自の配布工程が必要ならGitHub exportを使います。
書き出し後は、依存関係、ライセンス、秘密情報、テスト、脆弱性を確認します。
Grok Build CLIでできること・使い方
Grok Build CLIの中心は、開発者の手元にあるリポジトリでAIと作業することです。
Planとdiffで変更を確認できる
複雑な作業ではPlan modeを使い、実行前に計画を確認できます。
計画は承認、コメント、書き換えができ、実装後の変更はdiffで確認できます。
Planやdiffだけでは正しさは保証されないため、要求との一致、テスト、セキュリティを人が確認します。
既存の開発ルールや拡張機能を使える
公式発表では、AGENTS.md、Plugins、Hooks、Skills、MCP serversへの対応が案内されています。
AGENTS.mdには、リポジトリの構成、実行するテスト、変更禁止範囲、完了条件などを記載できます。
HooksやMCP serversは外部へ接続できるため、導入元、通信先、扱うデータを審査してください。
Subagentsとheadless modeに対応する
大きな作業はSubagentsへ分けられ、worktree連携も案内されています。-pのheadless modeでは、対話画面なしで実行できます。
並列数や利用上限は固定値として扱わず、公式画面で確認してください。
1. 検証用リポジトリを用意する
最初から本番環境で使わず、Gitで復元できる小さなリポジトリを用意します。
未コミットの変更がないことを確認し、秘密情報を作業ディレクトリから外してください。
2. 公式コマンドでインストールする
macOS、Linux、WSLでは、公式Docsに次のコマンドが掲載されています。
curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash
Windows PowerShellでは次のコマンドです。
irm https://x.ai/cli/install.ps1 | iex
企業の端末では、内容と配布元を確認し、組織のソフトウェア導入手順に従います。
3. 対象ディレクトリで起動する
cd path/to/your-projectgrok
初回起動ではブラウザ認証が案内されます。
公式Docsは、ブラウザを利用できない環境向けにXAI_API_KEYによる認証も案内しています。
APIキーをコードや共有ログへ残さないでください。
4. 最初は読み取りだけを依頼する
最初の依頼ではファイルを変更させず、理解が正しいか確認します。
このリポジトリを変更せずに調査してください。目的、主要ディレクトリ、起動方法、テスト方法、注意点を、根拠となるファイルパスとともに説明してください。
回答をREADMEや設定ファイルと照合し、誤りがないか確認します。
5. Planで小さな変更を依頼する
次に、READMEの修正や小さなテスト追加など、影響範囲が限定された作業を依頼します。
変更対象、対象外、検証方法をPlanへ含め、承認後に実装へ進めます。
6. diffとテストを人が確認する
完了メッセージだけで判断せず、次を確認してください。
- 依頼していないファイルが変更されていないか
- 依存関係やロックファイルが意図せず変わっていないか
- 秘密情報がdiffへ含まれていないか
- テスト、Lint、型チェックが実行されたか
- 警告や失敗が省略されていないか
- 担当者が変更内容を説明できるか
headless modeの最小例は次の通りです。
grok -p "このコードベースの構成を変更せずに説明してください"
自動実行前に、許可する操作、対象、失敗時の停止条件を決めましょう。
\ 業務自動化のお悩み、プロが30分で整理します /
法人様のAI導入に関するご相談はこちらGrok Buildの料金と利用条件
Web・モバイル版は「every plan」と発表されていますが、無料・無制限や、全機能が同条件で使えることまでは示していません。
一方、Grok Build CLIは、5月25日の発表時点でSuperGrokおよびX Premium Plus購読者向けのEarly Betaでした。
8月19日のevery planという説明はWeb・モバイル版に関する発表なので、CLIにも同じ条件が適用されるとは断定できません。
契約前には、公式料金ページとログイン後の画面で次を確認してください。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 対象プラン | Web・モバイル版とCLI版で条件が異なる可能性がある |
| 月額・年額、税 | 地域、請求周期、契約形態で表示が変わり得る |
| 生成・公開・保存の上限 | every planは無制限を意味しない |
| SpaceXAI APIsの消費 | アプリ制作枠とAPI利用の扱いを分ける必要がある |
| 独自ドメインやConnectorsの条件 | 機能ごとに対象プランが設定される可能性がある |
| CLIのcredit usage | /usageなど公式の利用画面で現況を確認する |
サブスクリプション料金と、APIキー経由の従量課金を同じものとして計算しないことも重要です。
企業向けGrok Build導入チェックリストと選定基準
企業では、便利さだけでなく、データ、権限、品質、費用を小規模な検証で確認します。
次の項目を満たしてから利用範囲を広げてください。
目的と製品選択
- [ ] 試作・共有にはWeb・モバイル版、既存開発にはCLI版という役割を整理した
- [ ] 対象業務、利用者、成果物、成功指標を一つに絞った
- [ ] 失敗しても業務や本番環境へ影響しない検証場所を用意した
データと公開範囲
- [ ] 入力可能な情報と禁止する情報を定義した
- [ ] 初期公開範囲を「自分だけ」にした
- [ ] 外部公開前に画面、メタ情報、カバー、入力データを確認した
- [ ] 「リンクを知る人」を認証済み利用者と同一視していない
- [ ] データの削除方法と公開停止の担当者を決めた
認証情報と外部連携
- [ ] APIキーをプロンプトやソースコードへ直接記載していない
- [ ] Secretsの閲覧、更新、失効方法を確認した
- [ ] SpaceXAI APIsの許可をアプリ単位で管理した
- [ ] Connectorsの接続先、取得範囲、更新、削除を確認した
- [ ] 不要なAPI許可や外部連携を無効にした
品質と権限
- [ ] 生成物を人がレビューする担当と基準を決めた
- [ ] 正常系、異常系、権限、表示、アクセシビリティをテストした
- [ ] ライセンス、利用規約、第三者の権利を確認した
- [ ] CLIでは秘密情報を分離し、ファイル編集とコマンド実行の範囲を限定した
- [ ] Gitのdiff、テスト、Lint、型チェックを必須にした
費用と運用
- [ ] Web・モバイル版、CLI版、APIの費用を分けて確認した
- [ ] 利用枠、通知、超過時の停止条件を決めた
- [ ] 公式仕様の更新を確認する担当と頻度を決めた
- [ ] 検証終了時に公開、連携、Secrets、リポジトリを棚卸しする
社内のツール選定、検証設計、利用ルールの整理に支援が必要な場合は、NexaのAI顧問サービスへご相談ください。
コーディングエージェントの権限管理は、Claude Codeセキュリティ完全ガイドも参考になります。
向いているケース・慎重に検討すべきケース
Web・モバイル版は、公開デモ、簡易ツール、ゲーム、操作可能なモックなどを素早く検証したい場合に向いています。
Grok Build CLIは、既存コードの理解、小さな不具合修正、テスト追加、文書更新、変更差分の確認などから始めやすいでしょう。
一方、次の用途は慎重な検討が必要です。
- 個人情報や機密情報を扱うアプリ
- 決済、契約、医療、安全に関わる判断を自動化する機能
- 広い権限を持つConnectorやAPIを接続するアプリ
- 人の承認なしで本番へ反映するCLI自動処理
- 内容を説明・保守できない生成コード
正確性、安全性、運用可能性、費用を基準に判断してください。
\ AI活用の「次の一手」を一緒に考えませんか /
法人様のAI導入に関するご相談はこちらGrok Buildに関するよくある質問
Q. Grok Buildは無料ですか?
一律に無料とは断定できません。Web・モバイル版はevery planで提供すると発表されましたが、無料・無制限を意味するとは限りません。
CLI版を含む対象プラン、利用枠、API課金は公式料金ページとアカウント画面で確認してください。
Q. Web・モバイル版とCLI版は同じものですか?
同じ名称でも、Web・モバイル版は会話内でアプリを作って公開する機能、CLI版はターミナルで既存コードを扱うエージェントです。
Q. Build Modeはなくなったのですか?
2026年7月にBuild Modeとして発表された機能は、8月19日の公式発表でWeb・モバイル版Grok Buildとして案内されています。
旧称としてBuild Modeと説明できますが、画面表示は更新される可能性があります。
Q. 作ったアプリを外部公開できますか?
はい。grok.me、独自ドメイン、Xで共有できます。公開範囲は自分だけ、リンクを知る人、インターネット全体から選びます。
Q. プログラミング未経験でも使えますか?
Web・モバイル版は自然言語で始められます。ただし、不具合、セキュリティ、データ処理、権利関係は人が確認してください。
まとめ
Grok Buildは、Web・モバイル版とGrok Build CLIを分けて理解することが重要です。
Web・モバイル版は、旧Build Modeを発展させ、会話からアプリを作り、grok.meや独自ドメインで公開できる機能です。
Grok Build CLIは、ターミナルで既存リポジトリを調査・編集・検証するAIコーディングエージェントです。
試作・共有ならWeb・モバイル版、既存の開発工程ならCLI版を選びましょう。
両方を使う場合は、Web・モバイル版で検証したプロジェクトをGitHubへ書き出し、CLI版でレビューや実装を続けられます。
いずれも、最初は公開情報だけを使う小規模な検証から始め、公開範囲、API許可、外部連携、差分、テスト、料金を確認してから利用範囲を広げることが大切です。
Grok Buildを含むAIツールの比較や安全な導入手順を整理したい方は、NexaのAI顧問サービスをご確認ください。
公式出典(2026年8月24日確認)
- https://x.ai/news/grok-build-for-everyone
- https://x.ai/news/grok-build-mode
- https://x.ai/news/grok-build-cli
- https://x.ai/cli
- https://docs.x.ai/build/overview
- https://docs.x.ai/build/modes-and-commands
- https://github.com/xai-org/grok-build
- https://x.ai/pricing


