GPT-6 Sol公開、企業が決める料金とAPI移行条件

GPT-6 Sol公開、企業が決める料金とAPI移行条件

公式ドキュメント・公式発表などの一次情報を確認したうえで、株式会社Nexaが執筆・更新しています。AIツールの仕様や料金は変わることがあるため、導入判断の前に各公式サイトの最新情報もご確認ください。運営会社について

GPT-6 Solは標準API料金が100万トークン当たり入力2ドル、出力10ドルの新モデルです。企業導入では費用と連携条件を分けて確認します。

  • 発表: OpenAIが2026年9月22日にSolとLunaを公開しました。
  • 費用: 長文入力や処理方式で料金が変わり、標準単価だけでは予算を決められません。
  • 移行: 推論を伴うツール連携ではResponses APIの利用を確認します。

対象: 社内AIの費用とシステム連携を見直すDX推進担当者

今日やること: 試す業務を1つ選び、承認者と費用の測定方法を決める

この記事の著者
株式会社Nexa 代表取締役川島 陸

一橋大学経済学部卒業後、フォーティエンスコンサルティング株式会社(旧 株式会社クニエ)にて法人向けAI導入支援等を経験。独立後、AI系メディア運営やDify/n8nの導入支援を経て、株式会社Nexaを創業。法人向けAI研修・AI導入支援・AI関連メディア運営を手掛ける。

GPT-6 Solの登場で、複雑な業務を担うAIの選択肢が増えました。ただし、単価が下がったからといって、既存システムのモデル名だけを置き換えればよいとは限りません。

OpenAIは9月22日、GPT-6 SolとGPT-6 Lunaを公開しました。企業での導入判断では、API料金、接続方式、実行権限、データ保存を確認する必要があります。公式情報で分かる変更点と、導入担当者が決める運用を分けて整理します。情報は2026年9月24日時点です。

GPT-6 Solは何が変わったのか

GPT-6 Solは、複雑なコーディングや、複数の操作を進めるAIエージェント向けのモデルです。AIエージェントとは、回答を生成するだけでなく、外部ツールを使って作業する仕組みです。実際に何を操作できるかは、接続したツールと権限で決まります。

OpenAIの公式発表によると、SolとLunaはGPT-6 Astraと同様の手法で学習されています。SolのAPI単価は、GPT-5.6 Solのプロモーション価格と比べて入力、出力とも半額です。これはモデル単価の比較であり、業務全体の費用半減を保証する数字ではありません。

発表時点の提供先はChatGPT WorkとCodexで、対象はPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduです。FreeとGoではデスクトップアプリでLunaを利用できます。通常のChatでは未提供と案内されているため、会社で使う画面や契約の対象範囲を確認してください。

APIの識別子はgpt-6-solgpt-6-lunaです。公式更新履歴でも9月22日のリリースを確認できます。

API料金は入力長と処理方式で変わる

APIは、自社のアプリからモデルを呼び出す接続口です。料金は文章を処理する単位である「トークン」などで計算されます。日本語の文字数とは一致せず、入力と出力に別々の単価が設定されています。

GPT-6 SolのAPI費用を標準料金・長文入力・処理方式に分けて確認する図図1: 単価表に加え、入力長と処理方式を確認します。

次の表は、入力が27万2,000トークン以下のStandard処理における、100万トークン当たりの米ドル単価です。

モデル 入力 キャッシュ入力 出力
GPT-6 Sol 2.00ドル 0.20ドル 10.00ドル
GPT-6 Luna 0.10ドル 0.01ドル 0.50ドル

出典: GPT-6 Solモデル仕様GPT-6 Lunaモデル仕様。ChatGPTの月額契約料金を表したものではありません。

キャッシュは、繰り返し使う入力の処理結果を再利用する仕組みです。読み出しの単価は安くなりますが、Solのキャッシュ書き込みは100万トークン当たり2.50ドルです。毎回すべての入力に割引が適用されるわけではありません。

Solでは、入力が27万2,000トークンを超えると、リクエスト全体の入力とキャッシュ料金が2倍、出力料金が1.5倍になります。長い資料をまとめて渡す運用ほど、この境界を予算に反映する必要があります。BatchとFlexはStandardの半額、Fastは適用単価の2倍です。ツール料金や地域処理の加算も別に確認します。

まず、現行業務の入力量、出力量、再試行回数を記録してください。単価表だけでなく、同じ仕事を完了するまでの請求額で比較できます。

既存システムとの接続と権限を確認する

モデル名の変更と、ツールを呼ぶ方式の変更は分けて検証します。公式仕様では、組み込みツールと関数呼び出しにはResponses APIを使うよう案内しています。関数呼び出しとは、モデルが必要な処理を指定し、アプリ側が実行する仕組みです。

既存のChat Completions APIでは、関数呼び出しを利用できるのはreasoning_effortnoneの場合です。推論の強さを上げながらツールを使う構成は、そのまま移行できると判断せず、Responses APIで動作を確認します。

GPT-6 Sol移行時の接続方式と操作権限を別々に確認する図図2: 接続できることと、実行を許可することを分けます。

確認対象 導入時に決めること
接続方式 既存APIとツール呼び出しの対応条件
認証情報 検証用と本番用のプロジェクト分離、キーの管理者
操作権限 読み取り、下書き、更新のどこまで許可するか
承認 メール送信やデータ更新を誰が確認するか

公式の本番運用ガイドは、APIキーの保護、有効期限、定期的な入れ替えを推奨しています。キーをプロンプトや共有資料に貼らず、管理された保管先からアプリへ渡します。

複数ツールを組み合わせる場合も、初回は読み取りと下書きに限定する運用を提案します。連携全体の設計はAIオーケストレーションの解説で補足しています。


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データ保存と業務上の責任は別に決める

「学習に使われない」と「保存されない」は異なります。OpenAIのデータ管理文書では、明示的な同意がない限りAPIデータを学習に使用しないと説明しています。一方、通常の不正利用監視ログは最大30日保持され、法令や安全上の理由による例外もあります。

機能によっては会話状態やファイルも保存されます。Zero Data Retentionという保持制御も、事前承認や対象機能の条件があります。名前だけで無保存と判断せず、利用するAPI、ツール、外部接続先ごとに保存条件を確認してください。

導入前には、送信できる情報、保存先、削除の担当者を社内で決めます。生成した文章やコードを社外に出す場合は、事実、機密、利用する素材の権利を担当者が確認する運用にします。モデルの公開自体が、すべての出力の利用権を保証するわけではありません。

小さく試し、検収済み業務の単価で比べる

最初から全業務を切り替えず、公開情報だけで試せる仕事を1つ選びます。例えば、製品資料の要点抽出と比較表の下書きです。必要項目の欠落、根拠との不一致、人が直した時間を記録すれば、速さだけでは見えない負担を比較できます。

公式の位置づけでは、Solは複雑な業務、Lunaは範囲を絞った大量処理向けです。難度の高い仕事にはAstraも比較候補になります。ただし、この区分は検証の出発点です。自社の日本語資料で、正確性や修正工数まで確認してから選びます。

GPT-6 Solを同条件で比較し人が検収してから限定展開する流れ図3: 条件の固定、人による確認、限定展開の順に進めます。

  1. 試験条件を固定する: 同じ資料、同じ依頼、同じ合格条件で比べます。
  2. 人が成果物を確認する: 根拠と内容を照合し、修正時間と再試行を記録します。
  3. 限定して展開する: 合格した業務だけ対象にし、失敗時の停止と旧構成への切り戻しを決めます。

費用の評価には、API請求額にツール費用と確認作業の人件費を加えます。それを人が確認して受け入れた業務件数で割り、検収済み業務1件の単価として比べる方法を提案します。公式ベンチマークの順位を、そのまま社内の成功率へ置き換えないためです。

判断責任のある仕事では、AIに最終決定まで任せる必要はありません。AIによる経営判断支援のように、比較材料の作成と人の決定を分離できます。

GPT-6 Solのよくある質問

Q. GPT-6 SolのAPI料金はいくらですか?

入力27万2,000トークン以下のStandard処理では、100万トークン当たり入力2ドル、キャッシュ入力0.20ドル、出力10ドルです。長文入力や処理方式、ツール利用で料金が変わります。

Q. モデル名を変えるだけで移行できますか?

既存のAPIとツール利用によります。Chat Completionsの関数呼び出しは推論設定がnoneのときに限られるため、推論とツールを併用する構成はResponses APIで確認してください。

Q. APIデータが学習されなければ機密情報を送ってもよいですか?

学習への不使用だけでは判断できません。監視ログや機能別の保存、外部ツールの扱い、社内規程を確認し、送信可能な情報を先に定めます。

まとめ

GPT-6 Solは、GPT-5.6 Solより低いAPI単価で複雑な業務を試せる選択肢です。一方、長文の割増やツール連携の条件は残り、人の確認も不要にはなりません。

まず試験用の業務を1つ選び、使う資料、実行権限、承認者、費用の測定方法を決めてください。同じ条件で比べ、検収済み業務の単価と修正負担が改善した範囲から展開するのが現実的です。


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この記事で参照した外部情報

  1. OpenAIの公式発表openai.com
  2. 公式更新履歴developers.openai.com
  3. GPT-6 Solモデル仕様developers.openai.com
  4. GPT-6 Lunaモデル仕様developers.openai.com
  5. 公式の本番運用ガイドdevelopers.openai.com
  6. OpenAIのデータ管理文書developers.openai.com

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